完璧な7秒間だった。
僕を取り囲んだ壁の一枚はガラス張りだった。世界に僕の存在を知らせるガラス張りだった。閉じ込められていたが、息苦しくない、狭いが、広かった。冷たい壁に体を隙間なく貼っている自分がいた。自分が原点に居てプラスY方向を眺めるとしたら、今この瞬間に、重力がマイナスX方向に働いてほしかった。もっと冷たくなりたかった。
この箱は一度も動きを止めずに、滑らかに7階から落ちた。
(快感)
もっと居たかった。一秒はただのセシウム133原子が9,192,631,770 回振動するのにかかる時間だと自分に思い出させたくなかった。
僕の前にたっているグレイな壁が破れた。現実へおかえりなさい。
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